龍王神社の裏は 小学校校歌に詠われている菊池川支流の迫間川 で、むかし雄龍と雌龍が棲んでいたという伝説の二つの淵「男龍」と「女龍」があります。
今は、竜門ダムが建設され、その周辺の関連工事で裏手の対岸には道路が出来て川岸の木も伐採され、棚田や山も整備されて明るくなっており、女龍も下流に出来た砂防ダムにより狭くなっていますが、以前は、両岸の木が茂り、昼間も鬱蒼としていて怖いようなところであり、年寄りからは夕方はもとより、昼間でも行かないように言われていました。
男龍の上には神社側の岸から対岸に向けて大きな松が横たわっており、夜に大蛇が休むところだとも言われていました。
また、大正12年には、神社上の県道(現在はダムが出来て行き止り、市道に変更)、龍王神社第一鳥居のところ から大蛇が田んぼの中を通って女龍の方向に行った跡があり、一時ずいぶん話題になったとのことです。(伝言板 H20,1/7 参照)



左 神社裏の岩場
霊感の強い人はいろいろと感じるものあるらしい
右上 左の岩場の端から男龍に流れ込む滝と男龍
左上 左の岩場より男龍と女龍を望む
以前、周辺の集落では、旱魃の時は一家の主が集まって此処で雨乞いの祈願をされていました。そして、その時は女龍や上流の淵で泳いでおられました。
そのご利益は大変速かったとのこと!
子供の頃の泳ぎ場はここの上流の淵でしたが、昔からの風習として、泳ぎに行く時、道端の地域の俗称ポンポン草を採って行き、龍神さんの方に向かって「溺れないようして下さい」と言って一礼、そして、所定の場所から再び「溺れないようして下さい」と言って川面に投げていました。子供心に「大蛇=龍の餌を流してあげる…?」とも思っていたのですが、今にして思えば身代わりとして流していたのかもしれません…?
何れにしろ、他所の人が来ると大人でも怖いような深いところで泳いでいたのに水難事故がなかったのはご利益でしょう…、先人の知恵と教えに感謝! です。
この男龍の上流、泳ぎ場(小児・低学年向けの砂場、高学年・大人向けの黒部淵や丸淵)一帯は、岩肌や石の模様が蛇腹を想わせるものでした。今ではダムによる水質の変化、それとも、大気汚染による酸性雨の影響かわかりませんが、残念ながら鮮明に見ることができません。
淵の周囲の飛び込み用の岩場は、白岩、豆腐、中岩、屏風岩と称され、高学年になるに連れての目標を定めて挑戦、最終目標は屏風岩でした。
泳いでいて寒くなるとこの岩場や大きな石を抱いて体を温めたものです。このことからも当時の水の清さ、岩肌や河原の石の美しさをうかがえます。
竜門ダムには、地名や伝説に因んだオブジェが設置されています。
神龍八大龍王神様に参詣して心を清め、この御神木に手を当てて気持ちを静めると精気を授かり、心身の健康維持増進を図ることができます。
また、縁結びを祈願すると良縁に恵まれると言われています。
○夫婦杉が御神木といわれる所以
この夫婦杉には次のようなエピソードがあります。
むかし、村人がお正月用の若木として使うために枝を切ろう斧で伐り掛かったら川の水が血で真っ赤に染まり、岩場に白い着物を着た女性が現れて「斬らないでっ…」と言ったのでびっくりして止めたということです。そして、この血に染まった水が2~300m下流の淵まで流れたのでこの淵、又は、この淵の周辺(…?)をトチノキと言うようになったそうです。
また、この杉は村の所有であるから代々の区長が替わる度に伐ろうとしても伐木ができなかったとのこと、例えば、値段立てなどすると急にどうにもならない寒気が出たりして結局伐れなかったとのことです。
龍王神社と
祠の裏=男龍の上岸に聳える夫婦杉
夫婦杉を裏から見ると、左右対称に昇り龍のように伸びていた枝が台風で折れて跡形しかありませんが、境内縁の岩場で長年の風雪、また、ダムが出来る前の川の増水で根元を洗われていたにもかかわらずこのように威勢よく聳える姿に驚嘆するとともに生命力の強さ、それを支える場のエネルギーを覚えます。
今でも大雨の時、ダムの水が放流されると一気に増水し、裏の岩場も水に浸かり、男龍・女龍とも一面泡だらけとなる。
竜門ダム湖は「斑蛇口湖(はんじゃくこ)」と称されています。
龍門校区には、大字の四つの地区があり、竜門ダムを境にして上流は「斑蛇口」になります。したがって、湖底には斑蛇口地区半分以上の戸数の跡が水没されています。
定かではありませんが、この「斑蛇口」という名称の由来は、むかし白蛇が居たからと聞いたことがあります。
しかし、いまいちピンときません、「斑」と「白」がどうも…? です。 勝手に想うと、地区の人にお叱りを受けるかもしれませんが、白蛇じゃなく、まだらな蛇、つまり、マムシじゃないかと思っていました。それが、時代を経るにしたがって何時の日からかイメージ的に「白蛇」ということになったんじゃないか…? っと。
そうしたら、文献の中から、この地区に「ヒラクチ石」というのがあることを知りました。文献には、横三米、高さ三,・五米の安山岩で巨大なものである。肥後国志には『鳳来山の近所路傍の岩の上に「ヒラクチ」に似たる石あり里俗伝えて大智在世の時此所に蜂の居たるを見て杖にて刎ねたりしが石になりたる。』と記されている。現在もその巨石は、鳳来川の右岸の滝の上に横たわり、口や眼らしく思える部分も見られて、奇異の感を起こさせる。 と記されています。ヒラクチとはマムシのことです。「斑蛇口」という名称の由来は、これかもしれません…?
おもいますに、マムシといえば一般的に毒蛇ということで敬遠されがちですが、これは凄い力を秘めたものです。先入観で短絡的にとらえるのでなく、いろいろ調べてみると「変毒医学」とか「毒は毒を以って制する」といわれるように「毒」には反面貴重な凄い力が秘められています。毒は、使い方によっては薬となり、現に○○薬として世に出ているものがたくさんあります。
このマムシもスッポンと同様、今尚、漢方薬などで重宝され、また、現代薬にもこのエキスが多用されていると聞きます。そして、これらの事業に携わっている人は皆さん財を成しておられるようです。
この斑蛇口地区の人達も身体剛健でよく働き、財を成している人が多いようです。このような歴史的背景の秘められた凄いパワーが目に見えぬ力となって後押ししているのじゃないか…? とも思う次第です。
何れにせよ、蛇は古来より強い生命力、繁殖力に不思議な霊力があるとされ、脱皮毎に甦る不老永世、驚異の精力は子孫繁栄家運隆盛と豊穣をもたらし、また、水神として龍の霊気を生むことから水難防止の守護にもよく知られています。
ここ斑蛇口湖には2,000 m のボートレース場があり、国体をはじめ、各種全国大会他数々の大会が行われると共に日頃の練習も行われています。
斑蛇口の名に由来する湖面にみなぎるパワーを浴びながら剛健な心身の育成に励まれることをご祈念いたします。
斑蛇口湖 = 県ボート協会の絵ハガキ より
上記、斑蛇口地区に今なお伝統の夜神楽を守り続けている穴川というところがあります。勝手な解釈ですが、この穴川という名前は龍に由来するものではないかとも思います。
風水学では、風水師が土地を見るときに先ず目をつけるのは、高い山に発した大地のエネルギーがどのように流れていくかで、このエネルギーの走る道筋を「龍」または「龍脈」と呼ばれています。つまり、大地の経路のことです。
そして、大地のエネルギーが噴き出しているところを「穴(ケツ)」と呼ばれています。ここ穴川には良質の水が湧出しています。そして、龍王神社の裏を流れる迫間川の源流はここです。このような「穴」の地点では、大地のエネルギーが凝縮し、地中から湧き出しているといわれます。
エネルギーのことを「気」ともいわれますが、「気は風に乗じて水に留まる」 これを「風水」というと聞いたことがあります。
このような観点から想うと、穴川と龍門、また、男龍・女龍の淵は龍が水を飲むために休むところ、龍が棲むところとして深い関連がありそうで、場のエネルギーの偉大さを実感する次第です。

